1. 人々の”食”を豊かに。

ほとんどの食品は品種改良されている

現在、私たちの身の回りにある食品のほとんどは、品種改良されたものです。

例えば、私たちの食卓でよく見かけるブロイラーは、もともとはセキショクヤケイと呼ばれる飛行能力を持った鳥を、より飼育しやすく、より早く、より肉付きよく育つよう品種改良されたものです。

現在、畜産物・農産物のうち、品種改良されていないものはミツバくらいと言われており、原種の肉や野菜を日常的に食べるような食習慣はほとんど残っていません。 また、多くのブランド食材も、品種による差別化が進んでいます。

品種改良された水産物はごくわずか

一方、水産物については、品種改良がほとんど普及していないのが現状です。
それ故、 養殖魚よりも天然魚が好まれる傾向があり、ブランド食材も産地や飼料による差別化が中心で、品種による差別化はほとんど行われていません。

一般的に、現在の品種改良法による新品種の開発は約30年を要します。
農産・畜産は1.2万年以上もの長い歴史がありますが、水産養殖の歴史は浅く、特に品種改良に必要な”完全養殖”という技術が登場してから、まだ50年程度しか経っていません。
つまり、
現在の品種改良技術では、水産物に品種改良が浸透するだけの十分な時間がなかったのです。

生産の歴史

しかし、優良な特性を持つ品種がやがて評価されるであろうことは歴史が証明しています。
例えばサーモンは、もともとは寄生虫問題から生で食べることができない魚種でしたが、品種改良に成功により生食が可能となったことで爆発的に私たちの暮らしに浸透しました。今や流通しているものの大半が品種改良されたものです。
同様に、品種改良された水産物が豊かな食生活の一端を担う未来が必ず来ることを、私たちは確信しています。

ニーズに合わせた多様な品種の開発へ

私たちは、ゲノム編集技術を利用した「ナノジーン育種」という超高速の品種改良技術を用いることで、品種改良に係る時間を30年から2-3年に短縮することに成功しました。

水産物の品種改良をよりスピーディに進めることで、1日も早く、品種改良された水産物が普及する未来を実現いたします。

品種開発プラットフォーム

2. タンパク質不足の解決へ。

タンパク質クライシスの到来

現在、世界人口の増加や中間所得層の拡大を背景として、タンパク質需要が大きく増加しつつあります。そして近い将来、需要が供給を上回り、タンパク質が不足してしまう「タンパク質クライシス」が到来すると予想されています。
この問題を解決するため、良質なタンパク質を効率的に生産することが求められています。

タンパク質危機

水産物は、飼料利用効率に優れている

世界のタンパク質不足の重要な背景の一つに、生物の成長に要する飼料の量があります。
牛・豚等の畜産物は、1kgの肉を作るのに必要な飼料の量が膨大であるため、飼育の過程におけるタンパク質のロスが大きくなります。
対して、魚等の水産物は、相対的に畜産物に比べて必要な飼料の量が少なく、効率的な動物性タンパク質源として注目されています。

飼料利用効率

加えて、畜産物は既にほとんどが品種改良が進んでいるのに対し、水産物は品種改良が進んでいないため、飼料効率の改善余地も大きいことが期待されます。
私たちは、超高速品種改良を駆使し、良質な動物性タンパク質を効率的に生産できる水産物を開発していくことで、世界のタンパク質不足に対応していくことを目指しています。

3. 日本の水産業・地域経済を元気に。

日本の水産業は苦しい局面にある

タンパク質源の確保を目的として、世界の水産生産量は大きく伸びていますが、乱獲・気候変動といった要因によって水産資源の保全が重要となっており、この30年間、漁獲量はほとんど増えていません。つまり水産業界の伸びしろは、天然物の漁獲ではなく、養殖にあります。

しかし、日本の水産業を巡る状況は、厳しさを増しています。この30年間で水産業従事者は20万人以上も減少し、かつて世界1位を誇っていた生産量は8位に落ち込んでいます。

水産生産量

私たちは、超高速の品種改良によって、生産効率の高い品種・付加価値の高い品種を開発・普及していくことによって、日本の養殖業、ひいては水産業をもう一度盛り上げていきたいと考えています。

地域経済の活性化を目指し、まずは地元京都から

現在、日本では地域経済の活性化が課題視されています。特に、日本の水産業が厳しい状況に置かれている中、これらの産業を中心としていた地域では、極めて手痛い打撃を被っています。

私たちの会社名「リージョナルフィッシュ」は、「地魚」という言葉に由来しており、地域に合った水産物を作っていくことを目指しています。これにより、水産事業者の経営状況の改善や雇用創出はもちろん、地域の食産業・観光産業等の活性化にも貢献していきたく考えています。

まずは、私たちの地元・京都から。「海の京都」とも呼ばれる宮津市に、養殖拠点を設け、地域経済の活性化に向けて、様々な取り組みを進めております。

海の京都、京都府宮津市

※当社商品は、京都府宮津市のふるさと納税にも出品しております。
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